うなぎ 花菱

JR渋谷駅を出て、お馴染みのハチ公前から見えてくる道玄坂。入り口には若者ファッションのシンボルである109があり、多くの人で賑わうエリア。
実はこの辺りはかつて民家と店舗が混在し、商店街のような形で栄えていた商業エリアでした。ビルが立ち並ぶ今の景観からは少し想像が難しいですが、そんな商店街で幼少期を過ごし、人生のほとんどの時間をこの街で過ごした阿部さん。大正時代から道玄坂で鰻屋を営む「うなぎ花菱」の三代目店主です。

「鰻はお祝い事など、ちょっと背伸びして食べるもの。特別な日に花菱を選んでいただいて、来てくれた人の笑顔を引き出せるような店でいたいですね。」
道玄坂中腹あたり、渋谷の喧騒のなか変わらずそこにあり続ける「うなぎ花菱」。文豪に愛され、渋谷の街に愛された鰻は、この場所に三代住み続ける家族が守り抜く味でした。

斎藤茂吉は鰻好きで知られているが、特に道玄坂の花菱と木挽町の竹葉亭を贔屓にしていた。昭和18年(1943年)、息子斎藤茂太の見合いが竹葉亭で行われた際、婚約者が緊張のため残した鰻を茂吉が食べた[25]。

共水うなぎ

東京都渋谷区道玄坂2-16-7 花菱ビル 1F・B1